「べき」を考えてみる

「~すべき」と言う言葉はいくつかの目的で用いられる。
これを、①「すべきと考えている人はだれか」②「すべき人はだれか」③「他人への責任追及」④「自分の責任に対する認識」の4つの観点で考えてみる。

例文1 https://www.mofa.go.jp/mofaj/territory/page1w_000013.html
例文:日本政府は、一般的に、他国との間で解決すべき領有権の問題という意味で「領土問題」という表現を使っています。
①&②日本政府、③政府のAさんが、同じ政府の担当者Bがさんが取り組む責任を主張している(「解決とはどういうことを指すのか」「その解決によって別の解決しなければならない問題を生みだす可能性はないのか」「なぜ解決しなければならないのか」「解決しないことで本当に困る個人は具体的にだれなのか」「その個人はどんな声を上げているのか」といった点も言語化は必要と思いますが)、④「政府」というような組織を主語にすると、その言葉を書いた本人が必ずしも「自分自身が」主語だという認識にはならない。お互いに「自分以外の担当者もしくは担当組織の責任ですよ。僕ではないですけど。」というニュアンスになるので、「責任の所在」があいまいになってしまう雰囲気が出る。よって、使われ方(どういう文脈でその人が使っているのか)が問われる。

例文2 https://www.shiken.or.jp/candidate/handankizyun.html
例文:「技能試験の概要と注意すべきポイント」を一部更新しました。
①技能試験受験者、②電気技術者試験センターの試験作成担当者、③責任追及ではなく、「試験に合格したい人」が合格可能性を高めるための推奨行為の意味合いとして使っている、④述べている②自身は合格したい人ではないので、べきの主語にはならない。

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